研究課題/領域番号 |
15K05317
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
佐藤 暢 専修大学, 経営学部, 教授 (50365847)
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研究分担者 |
町田 嗣樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム, 特任技術研究員 (40444062)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 中央海嶺玄武岩 / マントル不均質 / 中央インド洋海嶺 |
研究実績の概要 |
本研究は、中央インド洋海嶺第1セグメントから系統的に採取された中央海嶺玄武岩を用いて、マントル不均質の空間分布を明らかにすることを目的としている。試料は拡大軸方向および拡大方向に沿うように採取されており、主成分元素・微量元素組成分析と同位体組成分析(Sr, Nd, Pb, Os)を行うことにより、網羅的かつ多角的な地球化学データセットを構築し、それに基づいてマントル不均質の空間分布を推定する。 本年度は、これまでに主成分元素・微量元素組成の測定が完了している試料のSrおよびNd同位体組成分析を行った。Sr同位体比は0.7031から0.7034の範囲であり、Nd同位体比は0.51303から0.51306の範囲であった。この結果から以下の3点を明らかにした。(1)微量元素組成比(例えば、Nb/Zr比)から推定されるマントルの枯渇具合とSr同位体比には相関が見られる。すなわち、枯渇具合の高い試料ほど高い87Sr/86Sr比を示す。(2)空間分布と対比すると、拡大軸から離れるほど高い87Sr/86Sr比を示す。(3)微量元素組成比(例えば、Nb/Zr比)から推定されるマントルの枯渇具合とNd同位体比には相関が見られない。 これらの観測・分析結果から、中央インド洋海嶺第1セグメントで採取された中央海嶺玄武岩の元となったマントル組成は、平均的な中央海嶺玄武岩のソースマントルと微量元素(例えばNb)に枯渇し、放射性Srに富むマントル物質の混合で説明され、拡大軸から離れる試料ほど後者の割合が高いことが示唆される。 微量元素に枯渇し、放射性Srに富むマントル端成分は、中央インド洋海嶺の南緯15度~20度のセグメントの幾つかからも報告されており(Machida et al., 2014など)、中央インド洋海嶺の下のマントルに広く点在している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに主成分元素と微量元素組成の測定が完了している試料のSrおよびNd同位体組成分析が終了し、中央インド洋海嶺第1セグメントの拡大方向のデータセットが一通り揃い、マントル不均質の検討を行うことが可能となった。追加試料の分析およびPb、Os同位体組成分析も分析の準備は順調に進んでいるため、研究の進展は「おおむね順調に進展している」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
計画の最終年となるため、研究計画に挙げられていたPb、Os同位体組成分析を年度の早い時期に遂行しする。その上で、当初の目的であった、マントル不均質の空間分布を明らかにする。また、これまでの研究結果に基づいても、これまで報告のなかった結果が得られているので、国内外の学会等での発表や研究結果を一部公表などを通じて、さらに議論を深めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画されていた国際学会への参加を見送ったため、旅費への充当が行われず、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
12月に開催される国際学会で発表予定であるため、次年度使用額を併せて使用の予定である。
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