本研究により,次の2点が明らかとなった. 1.中央構造線非持露頭において,断層の一部が段丘堆積物を切断していることから,段丘堆積物中から火山ガラスを抽出し,その化学組成を測定した.その結果,その火山ガラスが10万年前に噴出した御岳第一テフラから由来したことが明らかとなった.従って中央構造線が活断層として活動していた証拠が得られた.2.中央構造線安康露頭など数カ所で断層ガウジを採取し,4つの粒度範囲に分けて,各々の年代とイライトポリタイプの割合を調査した.その結果,伊那地域のガウジは約15Maに重要な断層活動があったことが明らかとなり,伊豆孤の衝突開始のイベントと対応することが明らかとなった.
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