本研究では、20地点の前浜の砂を採取し、粒子形状指標と波浪営力・風成営力の関係を検証した。主成分分析の結果、第1主成分は波浪営力を検出し、伸張指標と高い相関を示し、太平洋側・日本海側の海岸で対照的な値を示した。したがって、この潜在変数は、うねりの多い大海洋では、粒子が円形になることを示している。第2主成分は風成営力を検出し、円摩度指標と高い相関を示し、砂丘の存在する地点で高い値を示した。したがって、この潜在変数は、浜堤平野の発達度合いを検知しており、そのような場所では粒子が円摩されていることを示している。この結果を応用すれば、粒子形状から海洋の規模と、砂丘の発達を判別することができる。
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