北海道東部,野付崎バリアスピットシステム(NBS)には明瞭な4つの分岐砂嘴が存在する.我々はNBSの発達の過程を復元するために、GPSを使った地形断面図の作成,試料採取,粒度分析,AMS14C年代測定、およびテフラを用いた離水年代の決定を行った.千島海溝沿岸域では500 年間隔で発生した超巨大地震(Mw 9.1~)の存在が明確になり,17 世紀巨大地震時(もしくはその後の余効変動)にはこの地域は2-3 m隆起し,その後,NBSは15 mm/年で沈降し続けていることが分かっている.ゆえに,NBSのN-BS3よりも若い分岐砂嘴の出現には,この地域の地震性地殻変動が関わっていた可能性が高いと言える.
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