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2017 年度 実績報告書

分子系統と微細構造から探る原生生物放散虫の共生系確立の起源と被殻成分の進化

研究課題

研究課題/領域番号 15K05326
研究機関東京学芸大学

研究代表者

高橋 修  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20242232)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード放散虫 / 共生 / 遊走子 / 渦鞭毛藻 / ハプト藻 / 緑藻 / シアノバクテリア / 分子系統
研究実績の概要

1)生存戦略としての共生系獲得の多様性解析
海洋原生生物放散虫の,PolycystieaとAcanthareaのうち,いくつかの種において遊走子放出の現象を確認し,Collodaria,Nassellariaおよび Spumellariaの遊走子についてSEM, TEM, 分子系統解析をおこなった.そこで,放散虫の遊走子のサイズは数μmと,共生藻の大きさよりも小さく,有性生殖では子孫に共生藻を受け渡すことは不可能であると結論づけた(Yuasa & Takahashi 2014, 2016).しかしながら,採取地点・時期が異なっても放散虫は同じ共生藻をもち,宿主-共生体間に種特異性があることが分子系統解析から指摘されている(Gottschling & McLean 2013; Yuasa et al. 2016).本研究におけるこれらの結果から,以下の可能性が指摘される.① 放散虫は種ごとに決まった種類の共生藻を後生的に獲得する.② ひとつの放散虫には複数の種の共生藻は存在しない.③ 放散虫は海域ごとに保持する共生藻が異なる.

2)沖縄産放散虫に特有の共生体の論文を作成した(Yuasa et al. 2016, 2018 in press).放散虫には少なくとも4種類の共生体,ハプト藻,渦鞭毛藻,緑藻,シアノバクテリアが確認されており,その一つは古くから知られている渦鞭毛藻のZooxanthella nutricula で,今回あらたにGymnoxantera radiolariae sp. nov.を放散虫に共生する渦鞭毛藻の新種として記載した.今回確認された放散虫の共生体は,過去に西大西洋や地中海で報告された記録がなく,太平洋に特有のもので,海域による違いと推察される.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] オスロ大学(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      オスロ大学
  • [学会発表] Observations of the reproductive swarmer cells of polycystine and acantharian radiolarians in the east China Sea.2017

    • 著者名/発表者名
      Tomoko YUASA and Osamu TAKAHASHI
    • 学会等名
      InterRad XV
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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