太陽系初期に水が存在した証拠は隕石に残っている。本研究では隕石中のバリウムの同位体比を精密測定し、消滅核種Cs-135によるBa-135の同位体異常の検出を行い年代測定を試みた。スタンダード溶液では約10-40ppmの同位体測定精度が得られ、Ba-130濃縮同位体等でダブルスパイク法を検討した。 Tagish Lake炭素質隕石ではBa-135およびBa-137に顕著な同位体異常が見られた。これらはプレソーラー粒子によって原始太陽系にもたらされ不均質に保持されていると考えられる。また、Cs/Ba比と同位体過剰には関連が見られず、セシウムが初期の水質変成で移動したためと推測される。
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