研究課題/領域番号 |
15K05364
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
三瓶 明希夫 京都工芸繊維大学, その他部局等, 講師 (90379066)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 三次元計測 / インテグラルフォトグラフィ / 微粒子プラズマ / 画像計測 / 逆磁場ピンチ |
研究実績の概要 |
本研究では,裸眼3Dディスプレイで用いられているインテグラルフォトグラフィの技術を応用し,視線方向が限定された視野から三次元構造を同定する計測方法を開発することを目的としている.本年度は,空間・時間スケールの大きく異なる二種類のプラズマを対象に実験をおこなった. 最初に,比較的制御が容易で時間変化も遅い微粒子プラズマを計測対象として,マルチレンズアレイを用いた可視光計測を行い,視線方向が制限された状況下での三次元構造計測法の原理検証実験を行った.実験では13.56MHz電源によって生成したプラズマ中に浮かべた微粒子を,532nmのレーザーを照射することで散乱光を3x3の凸レンズアレイを通して計測している.レンズアレイを通して一方向から得られた二次元画像情報から三次元再構成を行った結果,本実験で用いたプラズマでは微粒子間距離は100~200μm程度であり,従来の微粒子プラズマ実験による結果と矛盾のない値が得られた. 上記の実験に加えて,時間変化が早く,視線方向も極めて制限されている逆磁場ピンチプラズマに対して,マルチレンズと高速カメラを用いた可視光計測の予備実験を行った.ヘリカル状の可視光構造が時間変化する様子を,赤道面のICF152ポートから複数の凹レンズを介して高速カメラで撮影する事に成功した.この結果から三次元構造の再構成を行い,可視光源がヘリカル状に分布している初期結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに,当初計画にあった「微粒子プラズマに対するマルチレンズ可視光計測」及び「得られた二次元画像から三次元構造の再構成」は達成できた. 上記に加え,研究二年目のテーマであった「逆磁場ピンチに対するマルチレンズ可視光計測」に着手し,逆磁場ピンチ放電においてヘリカル状の可視光構造が時間変化する様子をレンズアレイを介して高速カメラで撮影し,初期結果を得ることができた.上記の事柄から,研究計画は順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
「微粒子プラズマに対するマルチレンズ可視光計測」については引き続き実験を進め,計測システムの精度向上を図ると共に,三次元構造の時間発展を詳細に計測する. 「逆磁場ピンチに対するマルチレンズ可視光計測」については,今年度得られた初期結果を元に計測システムの最適化を進める.種々のパラメータの放電に対して計測を行う事で,可視光ヘリカル構造の遷移現象を計測する.画像計測結果と周辺磁場揺動及び各種平衡量とから,磁気面構造と発光現象との相関を調べる. マルチピンホールと軟X線カメラを組み合わせた計測装置の開発を進め,「逆磁場ピンチにおける軟X線に対するインテグラルフォトグラフィ計測実験」を行い,限定視野下での軟X線放射源の三次元構造計測を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
微粒子プラズマ実験装置の構築において,一部を既存の物品の流用で補うことができたことにより,当初計画より使用金額を抑える事ができたため.
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次年度使用額の使用計画 |
物品費としては主に「逆磁場ピンチにおける軟X線に対するインテグラルフォトグラフィ計測実験」を行うための軟X線カメラの部品や真空部品,及び弱電部品の購入を行う. 旅費として,国内学会発表(年二回),APS(米国)での国外発表(年一回)を予定している.
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