研究課題
裸眼3Dディスプレイで用いられているインテグラルフォトグラフィの技術を応用することで,視線方向が限定された視野から微粒子プラズマの三次元構造を100ミクロン程度の誤差で再構成できるシステムを構築した.このシステムでは,実験条件に最適化したレンズアレイを通した散乱光を直接CMOSセンサーに結像させている.開発したシステムを用いて微粒子プラズマの三次元的な時間発展を一方向のみから計測することに成功し,従来の微粒子プラズマ実験による結果と矛盾のない値が得られた.逆磁場ピンチ(RFP)プラズマに対しても同様の技法を適用したが,ぼやけた境界を持つ半透明の撮影対象に対しては,従来の技法では再構成結果の自由度が高く,輝度分布を一意に決定できないため,インテグラルフォトグラフィとデコンボリューションを組み合わせた技法を開発した.RFPプラズマのような連続光源をマルチレンズで撮影し,インテグラルフォトグラフィによって三次元ライトフィールドを作成すると,ライトフィールドは連続的に分布する点光源から伸びる円錐が重なり合っている状態が得られる.この円錐を既知の点像分布関数とみなして,Lucy-Richardson deconvolutionを適用することにより,計測対象である半透明な連続光源の三次元分布を一方向から得る事が可能となった.また,マルチピンホールと軟X線カメラを組み合わせた軟X線三次元計測装置の開発を行った.ピンホールに装着するフィルターを変えることで,逆磁場ピンチプラズマに対して二次元温度分布計測を行い,反転が浅い状態では高温のヘリカル状態が形成されること,及び内部輸送障壁が存在していることを示唆する結果が得られた.これらの成果により,異なる空間・時間スケールのプラズマに対して,限定された視野からの三次元構造計測が可能となり,自己組織化現象の詳細な理解に繋がることが期待できる.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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https://www.hyokadb.jim.kit.ac.jp/profile/ja.2f965ca8f50ea3fc94f675f4fcb5670b.html