研究成果の概要 |
本研究代表者は、二原子分子の解離により、もつれ原子ペアが生成する可能性を理論的に指摘した。その研究によると、もつれの起源は、もつれ原子ペア状態が保有する対称性にある。したがって、この理論の実験的検証は、きわめて重要な課題である。本研究代表者の理論に依れば、その検証は、原子ペアが放出する光子ペアの角度相関測定により可能である。本研究課題では、水素分子(H2, D2,及びHD)の光解離によるLyman-α光子ペアの角度相関関数を測定し、その解析から2p原子ペア状態を同定した。その結果、2p原子ペアは、1重項状態と3重項状態が重なった、もつれ状態にあることが判明した。
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