ニオソームは安価な界面活性剤分子を用いて水中で簡便に作製できる二分子膜カプセルであり、生体内のドラッグデリバリー材料として近年注目を集めている。本研究では光と磁場で薬剤放出を制御できるドラッグデリバリーや、磁場によって効率を制御できる人工光合成などの新しい材料を開発するための基礎研究として、色素とビタミン類を埋め込んだニオソームを新たに開発し、光照射による酸化還元、これにより生じた長寿命な「電荷分離状態」、さらにその磁場効果を詳細に調べた。ここから人工光合成において重要となる多段階の電子伝達や、ドラッグデリバリーにおいて重要となる光による膜形態変化を示す結果を得ることができた。
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