結合次数の線形応答関数に基づいた全く新しい反応場設計法を開発した。具体的には、結合次数の線形応答関数に基づく新たな変分問題を提案し、基質内の形成もしくは解離させたい結合の結合次数を最大にするような外場を計算する方法を開発した。そして安息香酸の酸解離反応、プロテアーゼの加水分解反応、N アセチルグルコサミン転移反応などの反応系に応用した。また、その過程で必要となった自由エネルギーの遷移状態を計算できる新たな方法も開発した。さらに、特定の結合の結合次数の増減を最大にする反応場だけでなく、基質を最も有効にトラップする反応場との重ね合わせが、酵素の高効率な触媒能の源であるという重要な知見を得た。
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