本研究では、プロスタグランジン類の生合成を司る酵素の機能と反応について検討した。(1)プロスタグランジンH2合成酵素(シクロオキシゲナーゼ):本研究では、シクロオキシゲナーゼ2型の酵素(COX-2)によるアラキドン酸の水素引き抜きの段階では、活性化エネルギーが、基質の立体配座に依存することをQM/MM法で明らかにした。 (2)リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素:プロスタグランジンD合成酵素の反応について検討し、システイン残基のチオラートイオンがエンドペルオキシド酸素に攻撃する経路を見いだした。比較としてビリン還元酵素と基質複合体の結合状態を明らかにした。
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