シクロプロパンの特徴を生かした反応および合成の研究の中で、D-A シクロプロパンの環開裂を伴うSN1機構(分子内環化)とSN2 機構(分子間付加)を活用する高選択的合成法を見出し、これらの反応を鍵とするリグナン類の不斉全合成を達成した。環開裂を伴う高立体選択的ジヒドロナフタレン合成の反応機構を解明し、不斉転写ホモナザロフ環化を新たに見出した。一方、分子間反応として、オキシホモマイケル反応、ジアルキル銅マグネシウムハライドによる1,5-付加および還元的開環反応を見出した。また、これらの高立体選択的反応を鍵反応とするリグナン類ツピキリグナン A およびヤテインの不斉全合成を達成した。
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