研究課題/領域番号 |
15K05428
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
関谷 亮 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00376584)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | グラフェン / 蛍光 / バンドギャップ / 白色発光 |
研究実績の概要 |
三種類の形状が異なる有機置換基(第三世代デンドリマー(GQD-2),長鎖アルキル基(GQD-3),POSS(GQD-4))をGQD-1 の外周部分に導入し,その影響を調べた。GQD-2-4の合成はGQD-1 と有機置換基を5 mol%の[CuBr(PPh3)3]触媒存在下,クロロホルム中室温で攪拌することで行った。精製はアセトン(GQD-2)もしくはヘキサン(GQD-3,4)を展開溶媒に用い,シリカゲルカラムで行った。GQD-3とGQD-4の蛍光スペクトルを測定した。その結果,360 nmの単色光で励起した場合,GQD-3とGQD-4はいずれもGQD-2と同様に白色に発光した。ナノグラフェンが水溶液中で青色に発光することはこれまで報告されてきたが,本研究の様に白色に発光するナノグラフェンの例は殆ど知られていない。次に白色発光の起源を調べるためサイズ分配クロマトグラフィーを用いてナノグラフェンの分画を試みた。その結果,白色発光は発光色が異なるナノグラフェンが混合していることが原因であることを明らかにした。 GQD-1-4のLUMO準位3.9 eV程度であることが分かった。n型の有機半導体のPCBMのLUMOが3.7 eV程度であることから,本研究で開発したGQD-1-4は有用な材料へと応用ができる可能性がある。この可能性について現在研究を進めている。HOMO準位はPYSAにより求めた。その結果,おおよそ6 eV程度であることが分かった。またHOMO-LUMOのバンドギャップは2 eVより小さいことも判明した。紫外可視吸収スペクトルの測定からもこのバンドギャップの値が正しいことが支持された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. ナノグラフェンに様々な有機置換基を導入することができることを明らかにすることができ、当初の目的はおおよそ達成できたため。 2. HOMO-LUMOバンドギャップを決めることができた。 3. 研究成果を学術論文として公表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
GQD-1の外周部分には多数の反応部位が存在する。そこで,二種類の有機置換基を導入し,ナノグラフェンを基盤としたポリマー材料の開発を試みる予定である。反応は二段階で行い,第一段階目で有機溶媒に可溶化させるための有機置換基を導入し,第二段階目の反応でナノグラフェン同士を分子間相互作用で連結することができる有機置換基を導入する。一連の反応で得られたナノグラフェンの物性を各種測定で評価し,ポリマーとしての性質を有することを確認する予定である。
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