分極構造によって活性化されたπ電子系化合物であるアズレンと金属元素との相乗系を構築することを目的とし、アズレン骨格をエクアトリアル配位子として有するRh二核パドルホイール型錯体の合成を行った。 錯体の単結晶X線構造解析に成功し、結晶格子のa軸に沿って一次元に積層し、空隙を形成していることを明らかにした。この錯体の粉末試料は、空隙の構造変化を伴いながら二酸化炭素を吸脱着することが示唆された。酸化還元電位測定により配位子間での電子的相互作用が示唆された。過渡吸収測定を行った結果、Rhの重原子効果によるアズレンの励起一重項から三重項への超高速の項間交差と三重項状態の長寿命化が示唆された。
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