互変異性化可能な高周期ケトン類縁体に必須となるα位に水素を有する嵩高い置換基を設計開発し、その合成と高周期元素の導入を行った。トリプチシル(Trp)骨格を拡張し、かつメチレン基を有する嵩高いTrp*CH2基を新規アルキル立体保護基として用い、α位に水素を有するケイ素―硫黄二重結合化学種であるシランチオン、ならびに中間体として得られるシリレンの合成検討を行った。嵩高いTrp*CH2とTrp基を用いることで、溶液中安定なシランチオンおよび熱的に極めて安定なジシレンに誘導することに成功した。ケイ素上に導入したTrp*CH2とTrp基の噛み合いによる新しい立体保護効果の発現といえる。
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