申請者はZn(II)ポルフィリン錯体の周辺部に2,2’-ビピリジンを結合させた複合系に関して,Cu(II)イオン共存下でポルフィリンの蛍光の消光と,その原因がポルフィリンの励起状態における光誘起電子移動反応にあることを見いだした。 本研究では,このような光誘起電子移動反応と逆電子移動反応に関して,反応中心間にさまざまな原子団を挿入した各種の複合系を合成して,その反応性と分子構造の相関を調べた。電荷分離状態の長寿命化の点では,不飽和炭化水素または芳香族の原子団により反応中心間の距離を長くすることが有効であることを見いだした。これらの知見に基づいて,長寿命の電荷分離状態の生成条件を考察した。
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