本研究では,白金と金,銀,銅のいずれかの11族元素からなる混合金属錯体を様々な濃度で酸化チタン被覆石英粉末に吸着させ,空気中で焼成することにより,金属微粒子を担持した光触媒を調製した。この金属微粒子を担持した酸化チタン被覆石英粉末を用いてメチレンブルーの光分解反応を行い,各錯体から生成した金属微粒子の担持量・焼成温度と光触媒活性の相関を明らかにした。また,様々な条件で調製した光触媒の表面構造をSTEMにより観察し,金属微粒子の形状と組成を調べた。その結果,混合金属錯体を吸着させ焼成することにより得られる金属微粒子は,二元合金状態図に沿って相分離した合金である可能性が示唆された。
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