本研究課題では、σ 電子受容性(Z 型)に分類される配位子に注目して、その特性および機能の解明に取り組んだ。さらに、それらの知見を基に触媒反応の開発を検討した。その結果、(1)トリフルオロボランの B-F 結合の活性化が、Z 型相互作用を鍵として実現されていることを見出した。また、(2)Z 型相互作用を基盤とする Si-F 結合、Ge-F 結合および Sn-F 結合の切断反応を開発した。さらに、(3)それらの切断反応の触媒化を実現した。本研究課題の成果は、ケイ素、ゲルマニウム、スズ化合物の新しい合成指針を与えるものと期待できる。
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