トルエン中で2核ルテニウム錯体 [(Cp*Ru)2(mu-NPh)(mu-H)2] (2, Cp* = eta5-C5Me5) がN-H還元的脱離を起こし、アミドヒドリド錯体 [(Cp*Ru)2(mu-NHPh)(mu-H)(mu-eta2:eta2-C7H8)] (3) が生成することを見出した。反応速度解析と同位体効果の検討結果から、本反応は初期段階でのN-H還元的脱離が律速段階であることが判明した。さらにDFT計算を行い、本反応が活性化エネルギーのほぼ等しい2種類の遷移状態を経由して進行すると考えられることを明らかにした。
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