研究成果の概要 |
安定なκ3-O,C,O三座配位型カリックス[4]アレーンの錯体である[Cp*Ir{(C6H2tBu)4(CH)(CH2)3(O)(OH)3}] (M = Ir, Rh)の合成に初めて成功した。このうち、Ir錯体では2等量のXyNCとの反応によりCp*配位子がη5からη1へと変化し、(η1-Cp*)Ir(CNXy)2錯体を与えた。さらにもう1等量のイソシアニドを反応させるとCp*Hの解離が進行した。このようなCp*の環スリップは極めて珍しく、本反応系は4-10族遷移金属からのCp*の段階的解離を直接観測できた最初の例である。OH基の柔軟な配位がこの特異な挙動を促進していると考えられる。
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