四置換アルケンの自在な選択的合成を目指して、異種ジハロゲンのシリルエチニルアルキンへの高選択付加反応の達成と、それをベースにした異種炭素四置換アルケン合成の汎用経路の達成に取り組んだ。その結果、シリルエチニルアレンに対して系中発生型一臭化塩素が位置及び立体選択的に付加して、生成物を単一異性体として得る合成方法を見出した。また、このジハロビニルの2つあるハロゲンのうち片方だけを活性化する手法の探索を実施し、ビニルケイ素のビシナルアンチ位に位置する臭素原子を効果的に活性化する手法を、反応機構の理解とともに見出した。一方で、βハロゲン脱離やビニルメタル種の異性化という問題点を見出すに至った。
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