研究課題/領域番号 |
15K05510
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山田 陽一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 副チームリーダー (50317723)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | パラジウム触媒 / 固定化触媒 / 不溶性触媒 / クロスカップリング / C-H結合活性化反応 / 再利用 |
研究実績の概要 |
レアメタル使用の大幅な軽減のため、回収が容易で再利用可能、しかも既存の触媒よりはるかに高活性な固定化触媒の開発を実施しています。例えば、生成物を100キロ合成するために、通常触媒地金換算で1キロ使用します。例えば私たちが開発しているパラジウム触媒の場合、パラジウム地金1グラムが現在2000円程度ですので、地金パラジウム価格として200万円となります。私たちはその使用を1000~10000分の1に軽減し、しかも回収再利用できる触媒を開発しています。 平成27年度では、新規高分子パラジウム触媒の調製を行いました。高分子の有機溶媒の溶液とパラジウム塩の水溶液を混合することにより、不溶性の新規超分子触媒を得ることに成功しました。これは水にも有機溶媒にも溶けません。この触媒のパラジウム回りの局所構造を様々な測定を行うことにより決定しました。この触媒は、例えば鈴木-宮浦反応において、私たちが今までの開発してきたものを含め既存の固定化触媒より高い触媒活性を示すことを見出し、対応するカップリング生成物を得ることに成功しました。さらにC-H結合修飾化反応においても活性を示すことを見出しました。この触媒は回収して再利用することも判りました。数多くの基質に適用可能であることが判り、この触媒の有効性を見出すことができました。触媒量の低減についても検討しました。その結果、現在までのところ既存の不溶性触媒(不均一系触媒)の100分の1の触媒量まで低減することが可能であることを見出しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
上記の研究実施概要の内容をさらに進め、触媒系の完成を目指したい。さらに他の金属での検討も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
反応機器の業者開発が遅れたことにより、その関連消耗品の購入が次年度にずれ込んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
反応機器の業者開発が遅れたことにより、購入がずれ込んだ関連消耗品の購入に充てる。
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