溶存酸素濃度が高い河川水中では、Mnは溶解度の低いMn(III)もしくはMn(IV)として主に存在し、その濃度は数 μg dm-3以下となることが平衡論から予測される。ところが溶存全Mn濃度がこの値を大きく超える河川の存在が多数報告されている。自然由来の何らかのメカニズムがその要因であると考えられるが、Mnの化学状態別分析の困難さゆえそれ以上の定量的議論は行われていない。 そこで本研究では、正確さに優れた Mn(II)の化学状態別分析法を新たに開発し、同法を高濃度の全Mnが検出されている河川に適用したところ、全Mn濃度が高い河川ではMn(II)化学種がそのほとんどを占めることが示唆された。
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