ATP(アデノシン三リン酸)等のリン酸化合物誘導体を特異的に認識する超分子複合体センサーの開発を実施した。本基盤研究では、シクロデキストリン(CyD)が持つナノサイズの疎水空間を利用し、水に不溶なジピコリルアミン金属錯体を複数包接させることにより、リン酸化合物、特にATPの選択的多点認識を目指した。CyDとジピコリルアミン基を持つ金属錯体プローブをモチーフとして、CyD修飾分子系およびCyD包接化合物系の2つの系それぞれでATPに対する選択的応答や、多点相互作用によるADP(アデノシン二リン酸)に対する特異的相互作用を見出した。
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