研究課題/領域番号 |
15K05549
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
片山 建二 中央大学, 理工学部, 教授 (00313007)
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研究分担者 |
桑原 彰太 東邦大学, 理学部, 講師 (10612658)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 増感型太陽電池 / 位相差顕微鏡 |
研究実績の概要 |
増感型太陽電池は、3次元ネットワーク構造を有する電極と溶液との界面を通した電荷移動によって、制御されている。光励起された電子を効率よく取り出すためには、電子のロス(増感剤や電解質との再結合)を抑える必要がある。我々は、再掲都合ダイナミクス(電子寿命)を、光励起電子による屈折率変化を通して明らかにしてきた。しかし、電子寿命は平均値であるため、このような不均一な電極では、どのような箇所で再結合が起きているか明らかにする必要がある。そこで屈折率変化を通して3次元構造を測定することのできるスペックルパターン位相差顕微鏡を改良して、光励起電子の画像を測定できる顕微鏡を開発し、さらに寿命の情報も得られるようにして、どのような構造で、どの再結合が支配的になっているかを調べることのできる3次元解析法を開発し、電極構造の最適化をすることを目的としている。 昨年度につづき、まず2次元の情報取得をすることを目的に、位相差顕微鏡を改良した。強度変調したLED光を導入して、その光励起によって生成したキャリヤによる屈折率画像の測定を行えるようにした。LED光の変調周波数を変えながら測定することで、寿命の異なるキャリヤの画像を得ることができるようにした。10-100000Hzの範囲の測定を可能にした。光応答性液晶では、100-1000Hzにかけて特徴的な画像を得られることを確認した。今後、光電極に応用するためにはさらに1桁の感度向上が必要であり、LED光の照射パターンを利用することで、感度向上を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光誘起顕微鏡の開発については、ほぼ完成した。今後3次元測定可能な装置に改良していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
光電極の測定のためにはさらに、1桁の感度向上が必要であることが判明した。そのために、光の照射パターンを利用して、感度向上を目指す。それに成功したら、実際の電極デバイスの測定を行い、局所でのキャリヤの振る舞いを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
装置購入金額を抑え、来年度必要な消耗品の購入に充てる。
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次年度使用額の使用計画 |
新年度、必要な消耗品に用いる。
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