本申請課題では、標的タンパク質と結合するフッ素化合物(リガンド)の検出において、水素核、およびフッ素原子をマーカーとして、高感度および選択的に検出できる核磁気共鳴法(NMR)の開発を目指した。この測定法はリガンドの高精度選択的検出に加え、分子間相互作用に関与するリガンド中の部位を、フッ素原子で特異的に検出し、原子レベルで解析できる特徴を有する。実際の測定では、1H照射-1H検出飽和移動差(STD)スペクトル、および1H照射-19F検出STDスペクトル測定を行い、フッ素核の直接検出により、軽水溶液(95% H2O+5% D2O)においても、容易に選択的検出が可能であることが明確になった。
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