本研究は,模擬海水の水素イオン活量に基づくpHをイオン液体塩橋(ILSB)を用いて95%信頼区間±0.01で測定できることを示した.同時に、海水中の pHa の測定の為の技術的課題を明確にした。また、高イオン強度の HCl-NaCl 混合水溶液の pHa 測定において混合比が0.5付近で H+ 活量が安定化される特異的挙動の発見、参照電極電位の変動要因としてのILSB を通した水の動的輸送の存在、ILSB装着参照電極が水やイオン液体を溶媒とする電気化学において示す作用電極の電位の標準水素電極基準への一義的関連づけ、論争による水素イオン活量の可測性の明示、当初予期していなかった成果を得た。
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