ヘムを異常に歪めて結合する新型ヘム分解酵素(結核菌MhuD・黄色ブドウ球菌IsdG)について、その特殊な反応機構を解明した。MhuDについては反応の全貌解明にほぼ成功し、同一活性中心で1原子/2原子酸素添加反応を融合する初めての酵素であることを示した。IsdGについても、反応条件によってはMhuDと同様の反応が支配的となることを示した。しかし、還元速度などに応じてHCHOの遊離が促進され、細菌における生合成の制御機構の1つと提案された。さらに、新規ヘム代謝物を色素とする蛍光蛋白質の開発にも取り組み、通常生成物に対する選択性の向上など、有望な結果を得た。
|