化石燃料から放出される二酸化炭素の回収材として現在産業的に用いられているのは、低分子アミンの濃厚水溶液であるが、二酸化炭素の分離と吸収材の再生のため行う100℃以上の高温処理のため吸収材の劣化や大気中への放散が起きるのが克服すべき課題となっている。本研究課題では、高温下でも化学的に安定でほとんど蒸発しない二酸化炭素吸収性イオン液体を用い、それを「ドライ物質」と呼ばれる粉末形状とすることにより、吸収速度を画期的に上昇させることに世界で初めて成功した。最終的に、アミノ酸系イオン液体を利用することで、低分子アミン系と同等以上の吸収性能と優れたリサイクル性を併せ持つ新規吸収材料の開発に成功した。
|