最近、有機EL素子(OLED)の発光機構として熱活性型遅延蛍光(TADF)が注目されている。しかし、TADF機構では深青色発光に実現が困難である。本研究では、研究代表者が提案している振電相互作用密度を用いて、高次三重項状態Tnからの逆系間交差を経由する高次三重項経由蛍光FvHT機構を提案し、その分子の設計指針を提案した。この設計指針に基づき非蛍光性であるトリフェニルアミンを出発骨格として非発光性の置換基を導入した新規発光分子を理論設計し、蛍光OLEDの限界を超えた励起子利用効率65%の発光を観測した。
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