本研究では,単一の発光団のみから白色発光を得られる材料の開発に取り組んだ。まず,発光性金錯体を側鎖に導入した高分子液晶が白色発光を示すことを明らかにした。種々の詳細な検討の結果,金原子を含まない非常にシンプルで一般的な有機発光団においても白色発光が得られることが明らかになった。本研究によって,発光団の凝集構造を適切に制御することで単一の発光団のみから白色発光が得られることを見いだした。また,白色発光材料の分子設計指針に加え,分子凝集構造の設計指針も明らかにし,今後の発光材料の材料設計に対する重要な指導原理を得ることができた。
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