本研究では、ジアセチレン(DA)ナノ結晶における構造相転移型固相重合反応のサイズ効果を解明し、ポリジアセチレン(PDA)ナノ結晶の三次非線形光学特性との構造相関を明らかにした。固相重合反応におけるサイズ効果は、ナノ結晶で少しずつ重合が進行するのに対し、ナノファイバー(NF)では相転移的な重合挙動が観測された。NFでは重合に伴う応力―歪み挙動が固相重合を良好に進めるのに適当であり、励起子吸収ピークがバルク結晶より長波長側に観測された。さらに、PDA NFの三次非線形光学感受率がバルク結晶を凌駕することを初めて明らかにし、当初目的としたバルク結晶を凌駕するナノ結晶材料を創出することにも成功した。
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