ナノファイバーをコンポジットした高分子膜において、ナノファイバーの表面特性およびコンポジット膜内での分散状態と透水性との関係を調べた。表面が親水性のナノファイバーを用いた場合、マトリクス高分子中でナノファイバーが良好に分散されている状態では、界面輸送チャネルの形成により膜の塩排除率を維持した状態で透水性のみを向上させることが可能であることを明らかにした。一方で表面が疎水性のナノファイバー界面では、水分子の運動性が制限される可能性が示唆された。これらの結果は親水性ナノファイバーとマトリクス高分子の界面が水輸送チャネルとして利用できることを示している。
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