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2017 年度 実績報告書

ラプラス圧による繊維中のナノ孔の圧壊とその孔径制御

研究課題

研究課題/領域番号 15K05624
研究機関岐阜大学

研究代表者

武野 明義  岐阜大学, 工学部, 教授 (70227049)

研究分担者 高橋 紳矢  岐阜大学, 工学部, 助教 (40377700)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードラプラス圧 / ポリプロピレン / ナノ多孔 / クレーズ / アスタキサンチン / リチウムイオン電池セパレータ
研究実績の概要

最終年度の目的は次の通りである。「ラプラス圧によるボイド径の変化を制御し、薬剤の担持を試みる。」昨年度は試験的に、抗酸化剤として化粧品やサプリメントとして期待されている素材であるアスタキサンチンを含浸した。その結果、ポリプロピレンに含浸固定することができた。アスタキサンチンをフィルムに20wt%程度まで担持させたが、フィルムが極端に脆弱になることはなかった。非常に高い担持量を達成している。このフィルムをエタノールに浸すと、アスタキサンチンは急速に溶解するが、これまでに確認したラプラス圧によるボイドの収縮を利用することで大幅に抑制できた。そこで、アスタキサンチンを含有した繊維による布帛を作成した。まず、フィルムの状態で多孔化し、それをスリットして繊維化する方法をとった。この多孔繊維にアスタキサンチンを担持し、手袋などの形に編み上げた。また、ラプラス圧によるボイド径の制御を利用して、リチウムイオン電池の熱暴走時の自己停止に利用する検討を始めた。電解液を多孔内に導入すると、ラプラス圧が大幅に低下することが分かった。
進捗状況について: 研究は予想以上に進捗している。当初の研究予定に加え、リチウムイオン電池セパレータとしての応用に新たな展開が見られ、特許申請準備中であることは昨年度も記した。今年度に、特許の申請が終了し、企業との共同研究も開始した。
今後の研究の推進方策:薬剤の担持に関しては、実用に移せるところまで来たと考えている。また、リチウムイオン電池セパレータに関する応用も、実用化を目指した研究に移っていくはずである。しかし、ラプラス圧を孔の収縮に利用する際に、孔内の高分子界面エネルギーを、高分子と接したガスあるいは液体との差だけで議論して良いとは思えない。実際に孔が閉じる温度が低すぎるようである。この点は、今後の課題として残った。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] クレーズによる多孔高分子フイルムの作製技術と特徴2018

    • 著者名/発表者名
      武野明義
    • 雑誌名

      工業材料

      巻: 66(3) ページ: 21-25

  • [学会発表] Growth of craze phase and control of void diameter by Laplace-pressure in crazing films2018

    • 著者名/発表者名
      Yui HORIGUCHI, Shinpei TSUZI, Shinya TAKAHASHI and Akiyoshi TAKENO
    • 学会等名
      the 10th International Symposium on Advanced Plasma Science and its Applications for Nitrides and Nanomaterials (ISplasma2018)
    • 国際学会
  • [学会発表] 自由に開閉できるナノの孔を持つ繊維クレーズナノ多孔ファイバー2018

    • 著者名/発表者名
      武野明義
    • 学会等名
      岐阜地域産学官連携交流会
  • [学会発表] プラスチックの白化現象クレージングを利用した多孔フィルム2017

    • 著者名/発表者名
      武野明義
    • 学会等名
      イノベーション・ジャパン2017
  • [学会発表] クレーズによる多孔高分子フィルムの界面とその応用2017

    • 著者名/発表者名
      武野明義
    • 学会等名
      粘着研究会第155回例会
    • 招待講演
  • [学会発表] クレージングフィルムの細孔特性評価と電池セパレーターへの応用2017

    • 著者名/発表者名
      堀口結以、辻真平、高橋紳矢、武野明義
    • 学会等名
      第47回繊維学会夏季セミナー
  • [学会発表] 表面形状や厚さの異なる高分子フィルムに生じるクレーズの複合性2017

    • 著者名/発表者名
      青山洸樹,高橋紳矢,武野明義
    • 学会等名
      第47回繊維学会夏季セミナー
  • [学会発表] ラプラス圧による孔径制御と電池セパレーターへの応用2017

    • 著者名/発表者名
      堀口結以、辻 真平、高橋紳矢、武野明義
    • 学会等名
      平成29年度繊維学会年次大会
  • [産業財産権] 微多孔性フィルム及びその製造方法並びに電池用セパレータ2017

    • 発明者名
      武野明義
    • 権利者名
      国立大学法人岐阜大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2017-099376

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公開日: 2018-12-17  

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