クレージングによりナノ多孔化したポリプロピレン(PP)の孔径はラプラス圧によりコントロールができた。そのボイド径は、融点より大幅に低い100℃以下で縮小・消滅するため、このクレーズが生じたPPは、機能素材の担持に応用が可能である。そのため、孔径を維持しながら単位面積あたりのクレーズ領域の拡張を試み成功した。このPPフィルムのヒーリング温度(孔が縮小を開始する温度)は、大気中で60℃だが電解液中では110-135℃となり、界面張力に依存していることが分かった。このような、ナノ多孔PPファイバーにカロテノイドの一種であり化粧品やサプリメントとして用いられるアスタキサンチンを複合した。
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