本研究では、機能的なゲル材料の構築を目指し、音響波を用いてゲルの内部構造を三次元的に制御することを試みた。対向する音波が干渉し定在波が生じると、周囲の媒体より固い物質は体積変化の少ない節に保持される。この原理を利用し、溶媒中のナノゲルが定在波の節の部分に周期的に配列した、三次元的な粗密構造を持つゲルを作製した。得られたゲルの物性評価として、原子間力顕微鏡による局所的な固さ測定と、乾燥状態からの膨潤挙動の観察を行った。さらに、細胞とナノゲルとのハイブリッドゲルを作製し、ゲル中における細胞の生存率や形態について評価した。
|