光反応型化合物として天然物であるフェルラ酸(FA)を用い、紫外線-A(UV-A)との併用殺菌機構を調べた。UV-A照射下においてFAは、グラム陰性・陽性菌に対して高い殺菌力を示した。同条件で脂質過酸化レベルは有意に上昇し、細胞損傷を表すPI蛍光レベルも上昇した。CTC反応による呼吸活性は、FAと接触させることにより無処理の細胞と比較して減少した。従って、FAは細胞表面に吸着後、UV-A照射下で酸化的破壊を引き起こすことが示唆された。ポリヒドロキシメチルメタクリレートを主鎖とするFA分岐ポリマーを合成した。その分子量を約15000とする化合物10は、遊離FAに匹敵する抗微生物活性を示した。
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