ポリエチレングリコール(PEG)を対象とし、線状PEGに少量の環状、星型PEGを添加した際に生じる結晶化挙動の変化について検討した。 ある程度分子量の高い環状、星型PEGは線状PEGと相溶し結晶系や結晶ラメラ構造に影響を与えることはなかった。一方、結晶化挙動(結晶核生成および球晶成長)は大きく影響を受けた。結晶核生成は環状、星型添加により促進された。これは、分子運動が活発な末端の減少に起因すると思われる。一方、球晶成長速度は、特定の分子量を有する環状分子を添加したときに著しく低下した。これは、環状分子による絡み合い密度増加のためであると推察した。
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