現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備検討(H. Maki, et.al., “Ionic Equilibria for Synthesis of TiO2 Thin Films by the Liquid Phase Deposition”, J. Phys. Chem. C., 118 (2014) 11964-11974)が功を奏し、現在は第一段階の「高効率な異相界面間電子移動を実現する液相析出反応条件の最適化」をほぼ完了し、第二段階の「異相界面間の電子移動に及ぼす界面のナノ構造や密着性及び固相の諸物性の影響の解明」に移行しており、極めて順調なペースで研究が進行している。具体的には、金属発泡材料、導電性ナノポーラス体、反転オパール構造体など、様々な三次元ナノ構造を有する導電性基材を用いたセラミックス複合体の作成を行っている。中でも、最適化された反応条件(反応溶液の組成や濃度、および反応温度など)が基材の材質や表面構造に依存しないというLPD法の特長を生かして、金属発泡材料である発泡ニッケル表面にニッケル水素二次電池の正極活物質であるNi-Al層状覆水酸化物(Ni-Al LDH)の薄膜合成に成功し、①の結果と共に既に学術論文発表を行った(H. Maki, et.al., “Nickel-Aluminum Layered Double Hydroxide Coating on the Surface of Conductive Substrates by Liquid Phase Deposition”, ACS. Appl. Mater. Interfaces, 7 (2015) 17188-17198、下図参照)。現在、他の導電性基材についても、二次電池用活物質薄膜による表面修飾を鋭意行っている段階である。
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