次世代燃料電池電解質として期待されるランタンシリケートにAlまたはFeをドープした試料の合成条件を検討し、1973 Kでの焼成により粒内抵抗を大幅に低減できることを見出した。これは格子間酸素キャリアをより多く導入できるためと考えられた。最適なドープレベルのFeドープ試料では、同レベルのAlドープ試料よりも粒界抵抗が大幅に低く、さらに化学的安定性も劇的に向上した。放射光マイクロビームを用いた測定から、Alドープ試料では化学的に不安定な相が粒界に生成するのに対し、 Feドープ試料では粒界が安定化して粒界抵抗が低減できたと考えられた。以上、粒界構造の制御によりイオニクスデバイスの効率化が達成できた。
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