本研究では, 微小な固溶体結晶を析出させた透明結晶化ガラスによってクロム近傍の局所的なフォノンと結晶場を制御することで,多重フォノ ン放出率の低下とエネルギー準位の一致を同時に実現することでクロムの増感作用を飛躍的に高め, 効率の高い太陽光励起ファイバレーザ媒質を創製することを目指した.多数の組成について試みたが,クロムとネオジムを共に含むような結晶相が分散した透明結晶化ガラスを得ることはできなかった.しかし,クロムは結晶相に,ネオジムがガラス相に存在する結晶化ガラスでは,クロムとネオジムは異なる相の中に存在するにもかかわらず,クロムからネオジムへのエネルギー移動が生じることを明らかにした.
|