研究実績の概要 |
本研究では、金属イオンをドープした高分子基板を金属有機構造体(Metal-Organic Framewroks: MOFs)成長における前駆体かつ支持基板として、その基板上に選択的にMOFを作製する手法の開発を目的としている。 平成28年度では、前年度に得られた知見を基に成長メカニズム解析ならびに結晶形態制御について検討した。テトラゴナルの結晶系かつ二種の有機リガンドからなるMOFを対象とし、それらのリガンド濃度を制御することで、立方晶の結晶をアミンリガンドの軸方向に伸張した立方晶の結晶を得ることに成功した(Langmuir 2016, 32, 6068)。 さらに、高分子基板上にレジストを作製し、レジストによる成長抑制について検討したところ、位置選択的にMOFが形成し、数マイクロオーダーでのMOFパターン形成にも成功した(RSC Adv. 2016, 6, 77297)。 これらの結果以外にも、ナノ粒子表面上での選択的MOF形成にも成功しており(Micropor. Mesopor. Mater. 2017, 245, 104)、最終年度の複雑な系におけるMOF形成に向けて非常に重要な知見が得られた。
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