研究課題
これまで六ニオブ酸ナノシートを用いた検討を行ってきたが、OH基の反応性や光活性などが異なるナノシートを用いる事で、さらに幅広い応用展開が期待される。そこで、層状ケイ酸塩の一種であるオクトシリケートをその候補として、剥離によりナノシートを得るための検討を行った。トルエンに、水熱法で合成したオクトシリケート粉末(oct)、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド(C10-2)またはジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(C12-2)を加え、60℃で3週間撹拌し、その後超音波照射を5h行った。原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、(C10-2)-octでは単層剥離した厚さ1 nm 程のナノシートが観察された。(C12-2)-octでは厚さ1 nmだけでなく3 nm程度の積層ナノシートも観察された。これらの結果より、オクトシリケートの単層剥離に概ね成功した。さらにDNAとナノシートの複合系についての基礎的知見を得るため、DNAとナノシートを単純混合した系について、検討した。バイデライト単独のコロイドは11.2 g/L以上の濃度で液晶示したが、DNA単独の溶液は今回の実験で用いた数g/L以下では液晶性を示さなかった。しかし、液晶性を示していないバイデライトコロイド(8 g/L)に僅かなDNA(0.2 g/L)を添加すると、強い液晶性が誘起された。一方、バイデライト単独のコロイドのSAXS測定では、ナノシート間平均距離が160 nmであったが、DNAを添加すると、加えたDNAの量に依らず約40 nmのナノシート間平均距離となった。バイデライトへのDNAの吸着等温線を作成したところ、DNAはバイデライトに強く吸着することが分かった。分子量の異なるDNAを用いた場合や、粘土鉱物モンモリロナイトを用いた場合でも、全般的に、ほぼ同様の傾向が確認された。
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