研究課題/領域番号 |
15K05673
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
轟 章 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50211397)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 複合材料 / キャパシタ / 電気二重層 |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究目標はフォームコア部分に電気二重層キャパシタを作成すること,複合材スキン部分との接着部の面積の改善である. フォームコア部分をくりぬいて電解液と活性炭電極,カーボン織物リード線を入れて両端部をスキン材の織物カーボンで封印する方法では電解液が漏えいし,24時間経過後に電気容量が消滅するという問題が発生した.これを改善するために,撥水性のあるフォームコアに変更し,そのフォームコアの中央部分をくりぬいてフォームコア自身に電解液を保存させる方式に変更した.また,活性炭電極と織物カーボンリード線とを接続するカーボン両面テープの導電性に問題があり,厚さ方位にしか電流が流れないためにはく離が発生すると電極面積が低下することが判明し,はく離防止のためのスティッチングを行うことで長期信頼性を確保することにした. これらの改良を加えることで48時間までの試験において,蓄電性能を維持可能であることが確認された.この方法ではスキン材との接着面はすべて撥水性のあるフォーム材で接着可能であり,接着強度の改善も達成される.ただし,電極部などの影響を考慮して限界の変形などは今後の課題である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スキン材を電解液の封印に使う方法を大幅に改善する撥水性のフォームコアを用いた手法に切り替えることでスキン材との接着性の問題を改善し,さらに電解液の漏えい問題も解決した.当初の予定である電気二重層キャパシタをフォームコア内に実現する初年度の目標はこれによって達成できている.ただし,スキン材を取り付けた強度評価までは至っていないが,当初の計画通りである.
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今後の研究の推進方策 |
電解液を有機電解液に改善して負荷する電圧の上限を改善し,構造物形状を試作することも視野に入れる. 構造強度の評価も実施し,剛性と強度,および電気抵抗変化を用いたスキン材はく離とスキン材カーボン繊維の破断に関しても実施していく予定である.
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