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2017 年度 実施状況報告書

Tri-Functional自己センシングCFRP構造キャパシタの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K05673
研究機関東京工業大学

研究代表者

轟 章  東京工業大学, 工学院, 教授 (50211397)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード複合材料 / CFRP / キャパシタ / 電気抵抗 / 破壊 / モニタリング
研究実績の概要

昨年度までに,炭素繊維強化複合材料構造を3Dプリンタでスキン材とコア材を一体で成形するシステムを導入し,キャパシタとしてのコアの最適形状を実験的に求めている.さらにキャパシタ機能の確認も実験的に行っている.複合材料3Dプリンタ(MarkForged社製 MarkTwo)において,連続炭素繊維フィラメントを用いてスキン材とコア上部を一体化したもの,スキン材とコア下部を一体化したものを作成し,この凹凸のはめ合わせでサンドイッチ構造とすることが可能であることを実験的に示している.また,防湿用のフィルムバッグによって電解液のキャパシタがそのままコア内部に収納可能であること,十分な充電性能を有していることを実験的に示している.
該当年度においては,スキン材の炭素繊維強化複合材料の破壊試験を実施し,電気抵抗変化でモニタリングする手法について,実験的に検討を行った.
破壊試験には,自動車のスキン材に衝突荷重が負荷されることを想定して3点曲げ試験を実施した.3点曲げにおいて,コア部分の高さの適切化を行う必要があることが秋r化になった.実験的にこれを調整した.
炭素繊維複合材3Dプリンタを用いてキャパシタに適した矩形構造のコアを有するはめ込み式のスナップイン構造を作成した.炭素繊維は表面のスキン材にのみ配置されている.スキン材の炭素繊維に電気的な接触を持たせるために表面のナイロン樹脂を研磨して除去し,導電性銀ペーストで電極を作成した.そしてリード線を設置し,電気抵抗を測定しながら曲げ破壊試験を実施した.スキン材は一方向炭素繊維であり,負荷応力によって微小な電気抵抗変化を生じるが,感度を下げることで,負荷時の電気抵抗変化はほぼゼロとして破断直前の急激な電気抵抗の上昇を的確にとらえることに成功した.
いくつかのコア試験体についても同様の実験を行い,この手法の有効性を確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スキン材のひずみ変化ではなく,破断時の急激な電気抵抗変化上昇をとらえる閾値の設定に成功した.ただし,熱可塑性プラスチックに炭素繊維を入れている複合材料であるために破断までの変形が大きく,クリアな結果を得るための試験片形状の条件の探索に時間がかかった.最終的には電気抵抗変化で測定可能であることが明らかになったのでおおむね順調であると思われる.

今後の研究の推進方策

危険を判断する電気抵抗変化の閾値の設定を行うために複数の破壊試験を実施する.多くの形状で試験を実施して閾値を設定し,危険予知時の充電を放電するシステムについて実験的に検討する.具体的には一定の電気抵抗変化が生じた際にスイッチを使用して安全に放電する方法の原理を実現する.ただし,蓄電量が現実のものと異なるために試験片レベルの安全性を確保するような設定とする.可能であれば,実際のキャパシタに相当する有機電解液を利用することも考慮する予定である.

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公開日: 2018-12-17  

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