ナノカーボン複合構造の諸特性を分子動力学シミュレーションによって調べた.多環芳香族炭化水素(PAH)はカーボンナノチューブ(CNT)に自発的に内包され,内部で形成されるダイマーが充填されたのちに積層構造が形成されること,グラフェン-CNT複合フィルムのインデンテーションを行い,荷重増加とともに1層フィルムでは軟化が,2層フィルムでは硬化が起こること,双晶グラフェンの粒界上にCNTを配置して引張シミュレーションを行い,CNTによる補強が有効であること,層間結合を有するグラフェン/hBNヘテロ2層の熱伝導度を計算し,層間結合により熱伝導度は急減し,また,その最小値が存在することを示した.
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