高速多重分岐き裂によって発生する破砕片の質量分布に関して、3つの研究を実施した。一つは、累積質量分布に対する実験装置の大きさと測定限界の影響を取り込んだ理論の構築であり、円盤試験片の衝撃落下試験によりその妥当性を検証した。二つ目は、高速多重分岐き裂のエネルギー解放率を測定する方法の開発である。破砕片の質量分布は多重分岐き裂のエネルギー解放率に関連していると予想されるが、それを測定する方法が存在しなかった。本研究は、その方法を確立した。3番目は、一様引張応力下の高速多重分岐き裂によって発生する破砕片の質量分布測定である。これにより、最も単純な力学的環境下における質量分布を明らかにした。
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