研究課題/領域番号 |
15K05678
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
崔 龍範 広島大学, 工学研究院, 助教 (00457269)
|
研究分担者 |
佐々木 元 広島大学, 工学研究院, 教授 (30192595)
松木 一弘 広島大学, 工学研究院, 教授 (30253115)
|
研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
|
キーワード | 金属多孔体 / 金属間化合物 / 分散率 / 複合材料 / 高強度 / 耐摩耗性 |
研究実績の概要 |
金属間化合物粒子分散複合材料を製造するには申請者の特許(特開 2013-221181)を用い、金属を含浸及び反応させることで金属間化合物のサイズ制御、材料内部の欠陥制御を目指すための製造プロセスを構築した。超微細なナノサイズの金属間化合物を生成させるため、金属多孔体のセル内部の比表面積の制御を行う。即ち、ナノサイズの金属粒子を利用し、新たな金属多孔体の開発を行った。製造プロセスは以下のように示す。[ステップⅠ]、ポリウレタンフォームとナノサイズ粒子、凝集材を混合し、ポリウレタンフォーム骨格に粒子を付着させる。[ステップⅡ]、ステップⅠのプリフォームを非酸化雰囲気下で炭化処理する。[ステップⅢ]、熱処理、金属粉末同士の固着及び脱炭処理を行い、セル内にナノサイズ粉末が付着した新たな多孔体を作製した。多孔体の比表面積を制御し作製された多孔体を用い、ハイブリッド含浸反応法の製造プロセスを行うことで、ナノサイズ粒子分散複合材料の製造を行った。作製された複合材料は光学顕微鏡及び電子顕微鏡等を用い、組織観察を行うことで材料内部に生成された金属間化合物のサイズ、形状、分散率、欠陥等を調べた。100%に近い密度と微細な金属間化合物強化複合材料を得ることを目指すためには溶湯温度、保持時間、冷却速度等を制御し、最適な製造プロセスを設計した。その材料作製条件は溶湯温度:973KK、溶湯多段階加圧力: 0.1+0.2MPa、保持時間5minの条件が微細な金属間化合物を析出されるには最適な条件であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超微細なナノサイズの金属間化合物を生成させるため、金属多孔体のセル内部の比表面積の制御を行う。即ち、ナノサイズの金属粒子を利用し、新たな金属多孔体の開発を行った。 多孔体の比表面積を制御し作製された多孔体を用い、ハイブリッド含浸反応法の製造プロセスを行うことで、ナノサイズ粒子分散複合材料の製造を行う。作製された複合材料は光学顕微鏡及び電子顕微鏡等を用い、組織観察を行うことで材料内部に生成された金属間化合物のサイズ、形状、分散率、欠陥等を調べた。
|
今後の研究の推進方策 |
材料内部に存在する欠陥(未含浸部による欠陥、凝固欠陥等)は強度の低下、摩耗量の増加などに悪影響を与える。未含浸部による欠陥は0.1MPa~0.4MPaまで加圧力を変化させることで未含浸部による生成する欠陥を制御する実験を行う。なお、凝固欠陥を防ぐためには冷却速度を炉冷空冷、強制空冷など制御し、凝固欠陥による内部欠陥を抑える作製条件を構築する。 また、セラミックス粒子強化Al基複合材料は、軽量かつ高比強度、耐摩耗性を有し、輸送機器の構造用部材(ディスクブレーキロータ、ディーゼルエンジンのピストンヘッドなど)として極めて有用な材料であるため、機械的及び熱評価を行う。機械的特性評価としては引張試験及び摩耗試験、Pin-on Disk試験を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
作製された複合材料に問題があり、機械的及び熱特性評価ができなかった。 その理由で分担金として予定としている国内学会の発表には参加できなかったため、予算を使えなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
複合材料の組織の問題が改善され、機械的及び熱特性のデータを得られたため、 次年度には学会に参加することで、予算を使用する予定である。
|