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2015 年度 実施状況報告書

マイクロ流路を用いたマイクロビーズ作製方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15K05682
研究機関首都大学東京

研究代表者

中村 理恵  首都大学東京, 理工学研究科, 研究員 (40615598)

研究分担者 小林 訓史  首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (80326016)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードマイクロ流路 / イソアミルアルコール / キャピラリー係数
研究実績の概要

平成27年度は,イソアミルアルコールを連続流体に用いたアルギン酸DDSキャリア(ビーズ)の作製をマイクロ流路内で行い,従来のミネラルオイルを連続流体に用いた場合と比較・検討した.まず,粘度の異なる流体を連続流体として用い粘度およびキャピラリー数がビーズの直径におよぼす影響を明らかにした.ここでは,高粘度ミネラルオイル(粘度55cst),低粘度ミネラルオイル(粘度12cst),イソアミルアルコール(粘度3.7cst)を用いてアルギン酸ビーズの作製を行った.流体の粘度が高くなるにつれ,連続流体の流速がビーズ径におよぼす影響が大きくなることがわかった.また,キャピラリー数を用いることでこれらの現象を整理することが可能であった.また,流路内での様子をデジタルカメラおよび高速度ビデオカメラによって撮影した.流路内で,アルギン酸がカルシウムと反応することによりゲル化する様子を観察した.ミネラルオイルを用いた場合は,流路にカルシウムを用いておらず架橋反応が起こらないためビーズ径は一定の値を示した.一方で,イソアミルアルコールを用いカルシウムと流路内で架橋反応を起こす場合とカルシウムを用いず流路内で架橋反応を起こさせない場合は,ビーズ径が小さくなる傾向がみられた.しかし,カルシウムを用い反応させた場合は,ある一定のビーズ径に留まる傾向を示した.また,それぞれの場合においてビーズの移動速度を計測した.反応を起こしたビーズと起こしていないビーズでは,反応直後の移動速度に大きな変化がみられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に進展しているが,流路内でのビーズの移動速度の計測に時間を要してしまった.

今後の研究の推進方策

カルシウムと反応させない場合において,アルギン酸ビーズのビーズ径が小さくなる現象が観察された.これは,アルギン酸内の水分がイソアミルアルコール内に放出していることが考えられる.そこで,イソアミルアルコールに0.1, 0.5, 1.0%と加水して,その影響を観察する.これまでの結果より,イソアミルアルコールは低粘度のためビーズ径のコントロールが難しいと考えられるが,加水することによりビーズ径のコントロールが可能と考えられる.また,分子量の異なるアルギン酸ナトリウムを用いて分子量の変化がビーズ成型過程におよぼす影響を明らかにする.これまでに,分子量が高くなるとビーズ成型時のフィラメント長さが長くなることが報告されている.そこで,流速を変化させたときの直径およびフィラメント長さを計測し,その影響を明らかにする予定である.さらに,抗菌性を有する銀ナノパーティクルの作製をマイクロ流路経路内でアルギン酸ナトリウムと硝酸銀の化学反応により試みる予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初の予定では,デジタルカメラを購入予定であった.しかし,本年度は既存のもので代用した.次年度以降の実験でより感度の高いものが必要になるので,必要に応じて購入したいと考えている.

次年度使用額の使用計画

精度のよいデジタルカメラを必要に応じて購入する予定である.また,あわせて画像解析ソフトの購入を検討する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Microfluidic fabrication of calcium alginate micro-beads and their crosslinking process2015

    • 著者名/発表者名
      Rie Nakamura
    • 学会等名
      6th International conference on mechanics of biomaterials and tissues
    • 発表場所
      Hawaii, USA
    • 年月日
      2015-12-05 – 2015-12-11
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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